2018年11月28日水曜日

劣悪な外国人労働者の労働実態


岩渕 友 参院議員
「国会かけある記」


 外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法案改定
をめぐって、失踪した外国人技能実習生の聞き取り結果の
政府発表で、データの偽装や誤りが明らかになりました。
前提が崩れたまま審議を強行しています。
 22日、聞き取った聴取票が参議院でも公開されました。
しかし、コピーも写真撮影もできません。そこで野党議員が聴取票を書き写すことに。他の野党議員と「なぜこんなことをしなければならないのか」と怒りを共有し、私が書き写せたのは2時間で40件ほど。この日集計された455件の内容は、平均時給は609円。最も低い鹿児島県の最低賃金761円を上回っていると確認できたのは68件しかありませんでした。私が閲覧したなかには、月額給与は20万円と事前説明を受けたのに、実際は8万円しかもらえなかったという事例もあります。聴取票から一人ひとりが見えてくるようで胸が痛みます。
 途中、ある自民党議員が様子を見に来ました。そこにいた議員が抗議すると「嫌ならやめればいいじゃないか」と言って出ていきました。あまりにもひどい。最低賃金以下、暴力などの実態を改善せず、受け入れだけを拡大することはあってはなりません。外国人労働者の権利を守ることは日本の労働者の権利を守ることです。実態をすべて明らかにするとともに、徹底審議で廃案へ。力を尽くします。
 

2018年11月24日土曜日

障害=不幸ではない

紙智子参院議員
「国民の願いを胸に」

 11月初めに北海道のブラックアウト(全域停電)の
被害調査で酪農地帯の別海町、帯広市へ行きました。
 酪農家のみなさんは、停電で搾乳できなかった人、
自家発電で、かろうじて搾乳できたけれど、受け入れ先の
乳業工場が閉鎖していたため、廃棄せざるをえなかった
人もいました。隣の浜中町の獣医さんは、「約2000頭
のうち362頭が乳房炎にかかっていた。真冬ではなかった
ことと、断水がなかったことがせめてもの救いだった」と
言いました。
 農家は「牛と目を合わすのがつらかった。目が合うと搾乳してもらえると期待して牛
が近寄ってくるので、目を合わせないように芋を掘っていた」と。なんとも切ないこと
です。北海道電力は酪農家のこの気持ちをどれほどわかっているか!と言いたい。
 しばらくぶりに、札幌でDPI(障害者インターナショナル)日本会議主催の障害者基本法改正についての各党のシンポジウムに参加し発言しました。障害者への差別禁止を定めながら、それに逆行する旧優生保護法の問題や障害者雇用の水増し問題などの人権侵害、障害者へのこのような差別がなぜ生み出されたのか、深く掘り下げ、その原因を打開するために取り組む重要性を痛感しました。
 「障害の重さは不幸とイコールではない、障害を持っても懸命に生きるのは、この世に生をうけたものの本性だから」という会場からの発言が胸にずしんと響きました。
(しんぶん赤旗2018.11.24付から掲載)

2018年11月21日水曜日

企業利益優先の「漁業法改正案」


紙 智子 参院議員
「国会かけある記」

沿岸の漁業者の話を聞いて、考えさせられたことがあり
ます。定置網で「魚を取ろうとしたのに、ヨコワ
(クロマグロの子供、30kg以下のもの)が大量に入って
しまう。逃がそうとして網を下げると、他の魚も逃げて
しまう。ヨコワは、高速でビュンビュン、泳ぐ魚なので、
網にかかると、ぶつかり合って傷つき弱ってしまい網から
逃がしても死んでしまう。
クロマグロが無駄になっている。それなのに北海道の漁獲枠はゼロ、獲ったら罰せられる」。クロマグロ漁の漁獲規制をめぐってこんなことが起こっています。
 海の資源を守り、回復できるように努力が必要なことは言うまでもありませんが、
資源管理の難しさが明らかになりました。クロマグロ漁の漁獲規制は国際的約束を守る
ためですが、なぜ、国が管理している大型船の漁獲枠の規制を強化しないのか。
魚が獲れなければ沿岸漁業・家族漁業は成り立ちません。それでも休漁を迫るのであれば、しっかり補償し、小規模な漁業者の生活が成り立つようにすべきです。
 突然、衆議院本会議で「漁業法改正案」の審議が始まりました。政府・与党は、現場の漁業者の意見も聞かず、まともな資料も説明もないまま審議を強行しようとしています。
 クロマグロの漁獲規制や外国人労働者の受け入れ拡大をすすめる入管法改正案と同じ
構造です。「漁業の成長産業化」の名のもとに企業の利益を優先する。現場に混乱と
対立をもたらすやり方は許されません。
 

2018年11月17日土曜日

労働者をモノ扱いの政治


岩渕 友 参院議員
「国会かけある記」

 いま大問題になっている外国人労働者の受け入れ拡大
法案。連日のように野党合同ヒアリングが行われ、外国人
技能実習生の方々が「朝8時から夜12時まで働いて残業代
が1時間300円」「パワハラ、いじめにあった」「除染
作業をやらされた」など深刻な実態を訴えています。
 国際社会から奴隷労働と批判されているのが、技能実習
制度です。家族と離ればなれ、職場の選択や住まいの自由
など基本的人権が認められていません。
 無権利状態で働かせている実態が今でも大問題になっているのに、こうした実態を
放置したまま外国人の受け入れを増やすことになれば、さらなる人権侵害を招くこと
になります。まずは現状を解決しなければなりません。
 外国人労働者をモノのように扱う政治は、日本の労働者も大事にしていません。
先日、宮城県の医労連のみなさんが要請に来られ、「夜勤が月12回。14回という人
もいる。自分の時間がとれない」「人が足りず一人ひとりに寄り添ったケアができ
ない。仕事にみあう給料ではない」など、看護師と介護士の方から実態についてお聞
きしました。
 やりがいがあり、誇りをもてる仕事を続けたい。労働条件の改善と人手不足の解消、
社会保障の充実は待ったなしの課題です。
 一昨日は法案の拙速審議を許さない野党合同院内集会が開かれました。徹底審議で
廃案にするために力を尽くす決意です。
 (しんぶん赤旗  2018.11.17付から掲載)

2018年11月13日火曜日

介護に笑顔を


畠山和也前衆議員
「かけある記」

 苫小牧市へ行った際に「娘がお世話になりました」と
声をかけられました。教員を務めていたときの教え子の
お母さん! 名前を聞いてすぐ、はにかみ屋さんだった
顔が浮かびました。今は介護職場で働いているとのこと。
働きがいをもってがんばっている姿を想像して、とても
うれしく思いました。
 なにしろ、国が改悪を続けるため悲鳴があがりっぱなし
の介護現場。「介護の日」である11日には、札幌駅前で
「介護に笑顔を! 北海道連絡会」主催の集会とアピール
パレードがありました。テレビカメラも入って、明るい雰囲気のパレードは町ゆく
人の注目も集めました。
 しかし、実態は厳しい。利用者の立場から「半身が動かないのに要介護2。さらに
下げられる見込みと言われた」との発言や、職員の立場から「いい介護をと願っても
人手が少なすぎる」との訴えが重く響きました。心にしみたのは「認知症の母は
『お母さん』と呼んでもわからないのに、名前で呼ぶと応えてくれる。一人の人間
として尊重することの大事さを学んだ」とのスピーチ。どうして国が、一人ひとりを
大切にしようという現場に負担を押しつけ続けるのかと腹立たしくなりました。
 「消費税増税は社会保障のため」と導入されて間もなく30年、介護保険が始まって
18年。しかし、社会保障はよくなっていないと誰の目にも明らかです。はにかんだ
笑顔の教え子を思い出しながら、くらしに目を向けた政治へ何としてもきりかえます。

2018年11月10日土曜日

旭川で〝野党共闘は大賛成〝


畠山和也前衆院議員
「国民の願いを胸に」

 あすは旭川市長選挙の投票日です。都市部の首長選
挙では、北海道で初めてといっていい市民と野党の
共闘となりました。西川まさひと候補の勝利へ、
旭川市に知人・友人がいる方は支持の輪をお広げくだ
さい。
 旭川市では国民健康保険料を8年連続で引き下げて、モデル世帯で9万円以上の軽減となりました。
無料低額診療も、院外処方の薬代について市が助成
を始め、その期間が半年にまで拡充されています。
市民の運動と、党の輪戦が大きな役割を果たしてきました。西川候補の公約には、
さらなる拡充が反映されています。
 告示日には、なんと沖縄県・玉城デニー知事からの応援メッセージも届きました。
西川候補が自由党に所属していた縁だと思いますが、「オール沖縄」の共闘と北の
大地の共闘が響きあうなんて感無量です。私も選挙期間中、西川候補の応援に足を
運びました。
 支部のセンターにも足を運ぶと、ちょうど小池晃書記局長・参院議員の国会質問
を見ていた市民と対話になったという話を聞きました。日本共産党が西川候補の
支持を決めたことを伝えると「野党共闘は大賛成。早く安倍さんを終わらせないとね」
と応じてくださったそうです。安倍政治をもちこむ市政など復活させないと、党員
のみなさんも大奮闘されています。
 ひどすぎる安倍政治も自動的には終わりません。沖縄に続き、北海道でも共闘
の力で追い込みましょう!
(しんぶん赤旗 2018.11.10付から掲載)

2018年11月8日木曜日

地産地消の分散型電源へ


岩渕 友 参院議員
「国会かけある記」

 ブラックアウトの影響と今後どのような対策が必要かを
調査するため、紙智子参議院議員、畠山和也前衆議院議員と
十勝へ。家畜のふん尿をつかったバイオガス発電に取り組む鹿追町にうかがいました。
 鹿追町は、酪農と畑作を営む戸数が半々ということで、発電はもちろん、できた肥料を畑作農家が利用しています。発電で出た熱をつかって、チョウザメの飼育や冬場のマンゴー栽培も行われています。十勝管内では、こうした地域の特性を活かした発電の取り組みを、さらに広げられる可能性があります。
 しかし導入を阻んでいるのが、送電線に空きがなくつなげないという問題です。送電線の利用は先着優先というルールのもと、後から申し込んだ事業者には高額な増強費用が請求されることもあります。これでは小規模の再生可能エネルギー事業者は参加が難しい。拡充整備されるべきです。
 すでに送電線を押さえている原発は稼働していなくても、いつか稼働するときのためにと枠が押さえられています。こんなおかしな話はありません。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で大型集中電源のリスクが明らかとなり、北海道の地震でも分散型電源へ転換する必要性が示されました。分散型への転換に国も北海道電力もどう取り組んできたのか。その責任が問われます。
 地域が主役、地産地消の分散型電源へ。エネルギー政策の抜本的な転換をするときです。

2018年11月2日金曜日

納得できる検証が必要


紙 智子 参院議員
「国民の願いを胸に」

 ブラックアウト(全道停電)はなぜ、どのように起きた
のか。避けることはできなかったのか。
 日本中が注目しています。26日、笠井亮政策委員長、
岩渕友参議院議員とともに調査を行いました。畠山和也前
衆院議員と真下紀子、菊池よう子、佐野弘美各道議のみな
さんも参加し、北海道、北農中央会、北海道電力、道生協連
を訪ね聞き取りをしました。
 北海道が、北電からブラックアウトの連絡を受けたのは、
何時かと聞くと、「問い合わせて聞いたのが5時35分
だった」と言います。ブラックアウトが起きたのは3時25分ごろ、2時間近くの
空白があります。北海道電力の側に聞くと、「社内規定は、直ちに関係機関に連絡
することになっている」と言います。なぜ北海道からの問い合わせが来るまで連絡
しなかったのか。「停電の規模がどれくらいの規模なのかわからなかったため連絡
が遅れた」などと言訳しました。電源が落ちたことを最も正確に把握できるのは、
電力会社の北電しかありません。停電が市民生活にどういう影響を与えるのか。
酪農をはじめ生業(なりわい)への被害を考えなかったのでしょうか。検証委員会
(電力広域的運営推進機関の第三者委員会)の中間報告は「北海道電力の対応が
不適切だったとは言えない」と言います。
 停電で苦しむ道民の姿が見えないものは、検証などと言えるものではありません。
道、北電、国の対応を含め道民が納得できる検証を急ぐ必要があります。