2020年9月30日水曜日

間違いを正して

 

畠山 和也 前衆議院議員
「かけある記」
 

 「どのテレビも、菅首相を持ち上げているみたいで気味が悪い」。「つどい」で出された言葉に、参加された方は一様にうなずきました。苦労人の代表みたいに描かれる菅首相ですが、コロナ禍で仕事を失った方や、バイトができず退学を検討している大学生などに向けた言葉は何一つ聞こえません。

 先週、小選挙区予定候補らと政府交渉をおこないました。まだ給付金が支給されない中小企業、赤字補てんがなく苦しんでいる病院・診療所、ひとり親世帯やDVに苦しむ女性の実態を次々とぶつけ、政府に迫りました。ある担当者は「予備費が七兆円以上あります」と応じましたが、それならデジタル庁より給付金こそ急ぐべき。国会を開いて議論をと、野党は三ヵ月も要求し続けているではないですか。

 経済産業省は、「核のゴミ」最終処分場への文献調査に応じる自治体に交付金を出しますとキッパリ。交付金目当てに応募へ手を上げる自治体があった場合はとの問いに、個別に審査するとしながら「国は甘いことはしません」とも。交付金を捨てるようなことをせず、いったん応じた調査なら最後まで――国の押しつけ宣言と受け止めました。

 日本共産党中央委員会へ「しんぶん赤旗」を申し込まれた、ある道民のメールには次のように書かれています。「この日本を変えていかなければなりません。そのためには野党の力の結集が必要です。間違いを正して下さるあなた方が必要なのです」。この熱い思いに応えたい。


2020年9月26日土曜日

アイヌの歴史の重み

 

紙 智子 参議院議員
「国民の願いを胸に」
 
 「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する」法律(アイヌ新法)が昨年4月に国会で成立してから1年。党北海道委員会が主催した
アイヌ民族の先住権を考えるつどい」に参加しました。
 平取(びらとり)、静内、浦幌のアイヌ協会から3人のアイヌの方々が、自らの生きざまや遺骨返還のたたかい、生業(なりわい)としてサケの捕獲を求める取り組みなどを語り、強いインパクトをもって参加者に受け止められました。
 東北学院大学名誉教授の榎森進さんの公演は、日本で先住民族のアイヌがどのような国家的な位置付けにあったのか、江戸時代から明治政府に至る経緯など、学校教育の場では触れられない歴史を丁寧にひもといて話されました。
 歴史の事実に立って認識を深めることが大事です。私からは国会論戦で明らかとなった問題点と今後の課題について報告しました。
 新報成立はゴールではありません。今なおアイヌ民族への差別は残り、肝心の先住民族の権利については、国際水準に大きく後れを取り、今後も不断の努力が必要だと訴えました。「北海道の共産党の集いを歓迎したい」「江戸時代からの歴史が聞けて良かった」「各地の取り組みを聞き、運動に生かしたい」と期待の声が出されました。今後も政策や運動で前進させられるよう奮闘したい。








2020年9月23日水曜日

野党連合政権を見据えて

 

岩渕 友 参議院議員
「国会かけある記」

3ヶ月ぶりに開かれた国会はたった3日間で閉会となりました。野党は、コロナウイルスの感染をどう食い止めていくのか、コロナの影響から国民のいのちとくらし、生業をどうやって守るのか、国会で審議する必要があるとして3ヶ月の会期を求めました。

 18日には、ジャパンライフというマルチ商法の会社の元会長などが逮捕されました。ジャパンライフといえば、「桜を見る会」に招待された幹部が、安倍前総理や菅総理と撮った写真を利用して勧誘を広げ、被害を拡大させたのではないかと大問題になっています。菅総理は「桜を見る会は中止する」と言いましたが、それで様々な疑惑を幕引きさせる訳にはいきません。審議しなければならない問題は山積みです。すぐにでも国会を開けという声を広げていきましょう。

臨時国会では、立憲民主党から「菅内閣を倒し、政権交代実現のために連携を強めたい」と要請があり、共闘をさらに発展させ、自公政権に代わる野党連合政権をつくる意思を示し、枝野氏に投票しました。共産党が首相指名選挙で1回目から他党の党首に投票するのは22年ぶりです。野党連合政権を見据えて首相指名を行うところまで、共闘が進んできました。

行き詰まった安倍政権を継承するような政治を終わらせ、新しい社会をつくるためにも、野党共闘の前進と、ブレずに共闘を貫いてきた日本共産党そのものを大きくするために、さらに頑張ります。


2020年9月19日土曜日

地域が主役でこそ

 

畠山 和也 前衆議院議員
「国民の願いを胸に」
 
 北海道では寿都(すっつ)町に続き、神恵内(かもえない)村でも、「核のごみ」最終処分場への調査に応じようとの動きが表面化しました。一方で、寿都町では反対を求める新たな住民団体がつくられ、神恵内村議会では住民の意見を聞く必要があると請願は継続審議になりました。
 初めから「トイレなきマンション」といわれ続けてきた原発。その後始末を、人口減少と財政難に苦しむ地方自治体に手をあげさせるやり方への批判も聞いてきました。そこまでして原発を推進するより、国としてやることがあるのではないのか。
 先週、北竜町の農事組合法人「ほのか」を紙智子参院議員と訪れました。人口減少と農業者の高齢化が進むなか、地域で協業化を進めようと決意したものの、経営状況や耕作規模が違う農家同士の話し合いは難航します。それでも「地域に人と土地を残したい」との思いが上回り、今は若い後継者や、経営に女性がしっかり参画し、地域社会全体が活性化しています。
 壁を見ると、「ここには何もないが、自然だけはある」で始まる言葉。苦しみも楽しさも分かちあってきた農家のみなさんの歩みの重さに感動しました。懇談中は終始、笑顔が絶えませんでした。農産物の販売価格や生産費の一覧も法人にかかわる全員に示していると言います。
 地域を主役に、未来を支える国であってこそ。いつ解散・総選挙があろうとも、胸に刻んで訴えたい。


2020年9月16日水曜日

震災、林業、種作りのこと


紙 智子 参議院議員

「国会かけある記」


胆振東部地震の被災から2年目、9月5日は厚真町で献花し、鵡川町、安平町の仮設住宅を訪問しました。その後、液状化で宅地被害を受けた清田区に向かい要望等をお聞きました。2年間、被災した皆さんの要望を聞き解決するために、頑張ってこられた地方議員の皆さん。苦難を解決するために私もともに頑張ります。

翌日は、札幌市手稲区で自伐型林業の皆さんから、作業中の山を見せていただきながら自伐型林業の取り組みを学びました。札幌市に出没するクマが話題に、クマを山に戻すためにも人が山を手入れすることが重要であるとの意見で一致しました。

三日後の9日は、種苗法についての調査のため羽田から旭川に飛び、滝川市で北空知農民連の皆さんとの意見交換。翌日は「ヒマワリの里」北竜町まで移動し、北海道「種の会」の久田徳二会長や元北竜町農協組合長の黄倉良二顧問と合流。九州から駆けつけた田村貴昭衆院議員と私、畠山和也前衆院議員が参加して種苗法の改正や種作りについて話をお聞きしました。なんといっても「幻の黒大豆」と呼ばれた「黒千石」の原種を発見し、復活に至る努力を重ねられてきたお話には深い感銘を受けました。当麻町では有機農法と種について聞きました。有機は、まさに自家採取、自家増殖によって成り立ってきただけに法改正による影響がでます。自家増殖によって農家は地域にあった種を作ってきました。環境に優しい農業の多様性を崩してはなりません。

2020年9月8日火曜日

みんなの幸せが自分の幸せ

畠山 和也 前衆議院議員
「かけある記」

 けたたましい緊急地震速報の音で目が覚めた時は、目を疑うような厚真町の山腹崩落や、広い北海道がいっせいに停電に襲われることなど想像もできませんでした。被災者を励まし、要望を聞き、文書にもまとめ、地方議員・国会議員との連携などで、あっという間に一日が終わるという毎日でした。

 あれから二年。震災直後に避難所の廊下で一人泣きしていた方、「政治家は信用していない」と言いつつ日々のつらさを語ってくれた方など、何度もお会いして顔なじみになった仮設住宅の方々も、来月には引っ越しが始まるといいます。まだ住む場所が決められない方も含めて、新しい生活へと政治が力を発揮する時です。

 家が地面へ滑り込むように傾くほど、目を疑うような液状化被害を受けた札幌市清田区里塚。生活インフラにかかわる工事は年内に終了見込みで、「九割ほどの方が戻ってきます。地震があっても、長く住んだ地は『住めば都』なんです」と語る町内会長さんの目がやさしい。町内会の情報を避難していた方へも郵送し続けるなど、支え合いを大切にされてきているのです。

「みんなの幸せが自分の幸せ」とばかりに、「来年度へ持ち越しになった公園の工事が終われば、町内会の夏祭りをおこないたい。年に一度、子どももお年寄りも楽しみにしていた集いの場ですから」と語る言葉が胸に響きました。早く新型コロナウイルスの収束を願いつつ、誰ひとり取り残さない復旧・復興へ、私も力を尽くします。

 


2020年9月5日土曜日

文献調査の応募撤回を

 

岩渕 友 参議院議員
「国民の願いを胸に」

 原発・エネルギー問題の調査で北海道寿都(すっつ)町へ。畠山和也前衆議院議員、真下紀子、菊地葉子両道議とうかがいました。寿都町では、片岡春雄町長が、高レベル放射性廃棄物の最終処分地決定にむけた文献調査の応募を検討するとしています。
 地元の幸坂順子町議が声をかけてくれ、町民の方々、隣の黒松内町の方々から話をお聞きしました。高校生のお孫さんから「そんなものをつくったら遊びに行けない」と連絡があったという方、「お宅の商品は買わない」と電話があった商店など、すでに影響が出ています。
 これをうけて、水産加工業の町民たちが撤回を求める署名を始め、短期間で8000人分に迫る署名が町内外から集まり、町長に提出されました。黒松内では学習会も開催されるなど、一気に運動が広がっています。
 東京電力福島第1原発事故から9年。事故など終わったと言わんばかりに、国や電力会社は原発再稼働に力を入れています。一方で、どの原発でも使用済み核燃料が満杯になりつつあるなか、その処分をどうするか焦りを募らせています。国策として進めてきた原発政策が行き詰っていることを示しています。
 国はそのことへの反省もなく、自治体に責任を押しつけようとしており、あまりに無責任です。文献調査の撤回へ現場のみなさんと力をあわせるとともに、原発ゼロの政治決断へ力を尽くします。


2020年9月2日水曜日

共闘の要、日本共産党を大きく

 

岩渕 友 参議院議員
「国会かけある記」

安倍首相が辞意を表明しました。突然で驚きましたが、持病が再発したとのことであり、体調の回復を願うものです。同時に、一刻も早く臨時国会を開いて首相を決め、最大の課題となっている新型コロナウイルスへの対応について審議をしなくてはなりません。

安倍政権のもとで、国民の声を聞かない政治、嘘とごまかしの政治、憲法を壊す政治が行われてきました。印象深いのは、東京電力福島第一原発事故は「アンダーコントロール」とした発言。安倍政権のもとで原発事故を終わったことにする福島切り捨てが進められてきました。しかし、それを許さないという運動、「原発ゼロ」の声が大きく広がっています。

辞意表明直後のつどいでは、「森・加計や桜を見る会の問題をこれからも追求してほしい」「公文書の改ざんで国家公務員が亡くなったことは重い。調査を求める世論を大きくする必要がある」などの意見が出ました。辞任表明で全てを終わりにさせるわけにはいきません。「次の首相は誰かということばかりが話題になるが、誰がやっても同じ」という意見も出ています。候補に名前があがっているのは、安倍政権を支え、結局は安倍首相に従ってきた人たちです。自民党政治そのものを終わらせる。新しい政治をつくるチャンスです。そのカギとなる市民と野党の共闘を広げ、その要となる日本共産党を大きくするために引き続き力を尽くします。