2015年12月21日月曜日
国民の願いを胸に
紙智子 参院議員
「”天職”守る政治に変える」
養豚、米、酪農、畜産、畑作、柑橘(かんきつ)など農業に
あたえるTPP(環太平洋連携協定)の影響調査に歩いていま
すが、日本列島の農業の多様性や豊かさを感じます。同時に
その土地に根ざして、懸命に農業を営む農家の皆さんの誇り
や喜び、TPPに対する怒りに接すると、この国の政治の底の
浅さに、怒りを覚えます。
愛媛のみかん農家に「TPPなど厳しい状況でも、なぜ頑張
ろうと思うのか」と聞くと、絶句して言葉につまり「じいさんが
自分を信頼して土地を譲ってくれた、その信頼にこたえ、
みかんを作ることは、俺の天職だ」と声を震わせながら語りました。
「農業の大切さを、どうしたらみんなにわかってもらえるのか」ー。
もっと深い議論をしなければと感じます。
先日、農林水産委員会が開催されました。酪農・畜産物の価格、TPP「大筋
合意」がテーマです。農業調査を踏まえて、質問しました。政府はTPPへの農家の
批判をかわすための対策とも言える「政策大綱」を出して、「「生産者の不安に答え
るものだ」と言うけれど、誰一人「国会決議を守った」と言う農民はいない。昨年、
日豪EPA(経済連携協定)を受け入れた時、輸入牛肉の関税率は「これ以上
下げられない。レットライン」と言いながら、TPPであっさり一桁台に下げた。
アメリカには何でも差し出す今の日本の政治を、どうしてもかえなければ!
(しんぶん赤旗 2015.12.19 掲載)