「胸に響いた漁業者の絆」
参院議員 紙智子
東日本大震災から三年半、三陸山田町で開かれた「復興と
漁業の展望を探る」フォーラムに参加しました。
沿岸漁民の苦労と努力の報告は、感動そのものです。
千葉の沿岸小型漁船漁業協同組合の組合長は、漁場にお
ける大中巻き網漁業との紛争を避けるためのとりくみを報告。
資源と漁場を「子孫に残そう豊かな海を」「魚資源の永続的利
用と資源管理」をモットーに努力している。
多数決で決めず、徹底して話し合って、決めていると語りました。
福島の相馬市のノリ養殖漁師は、原発事故で操業を自粛せざ
るをえない実情を説明し、常に汚染水で悩まされているが、次世代のことを考えて、
再生への道を探りたいと報告しました。
岩手漁民組合で三陸漁業生産組合の組合長さんは、被災で壊滅的な状況にあり
ながらも操業を再開し、独自に漁具や製氷機を確保し、地域漁業の早急な生産回復
を目指して奔走してきました。
組合長さんが、「被災前とは比較にならないほど、仲間を大切に思い、太い絆を育て、
透き通るほどに、きれいな思いで人に尽くすことの喜びをかみしめる力を授かった」と
語ったことは、胸に響きました。
こうした力が、今後の日本の沿岸漁業を前進させる力になると確信しました。
沿岸の漁船漁業は、20㌧未満の経営体が全体の78%をしめ、漁村地域を支えて
います。資源を大切にしながら漁業で生活できる。
政治の役割も実感するフォーラムでした。
(しんぶん赤旗 2014.10.24掲載)