2017年3月21日火曜日

「競争力強化法案」で農業の未来は開けない


紙智子 参院議員
「国会かけある記」
 
 安倍政権は、昨年TPP協定の発効が不可能になった
のに、数の力で国会批准を強行しました。その反省もない
ままに、TPP水準の農政をすすめるために「攻めの農政」
にうって出ようとしています。それを推進する法案を今国会
に8本も提出しました。昨年秋に規制改革推進会議などの
議論を経て政府が決定した「農業競争力強化プログラム」の
具体化です。
 「農業競争力強化法案」は、農業を市場経済に投げ込み、
国際市場で競争させることを前提に、資材・流通業界を再編
し、農家と農業団体に努力義務まで課すものです。
 「主要農産物種子法」は、米、麦、大豆の穀物について都道府県が開発した優れた
品種を奨励品種として予算をつけ普及してきましたが、それが「民間企業の参入の
意欲をそぐ」という理由で廃止しようというものです。
 畜産経営安定法「改正」案は、指定生乳生産者団体(指定団体)に出荷する生産者
に限って支給していた、加工原料乳補給金をそれ以外に出荷する生産者にも広げる
というものです。北海道の酪農家の多くは、指定団体(ホクレン)を通じて乳業
メーカーや乳製品工場に出荷してきました。集乳コストを軽減し、不利な地域でも
生産の安定を図り、価格交渉力を強める役割を果たしました。これも「自由な競争」
を損なうから変えるという。これで日本農業の未来が開けるとは思えません。
 法案の本質を明らかにし、家族経営と地域経済を応援する論戦に力を尽くします。