2020年2月29日土曜日

支援は生活再建まで


岩渕 友 参議院議員
「国民の願いを胸に」

 東日本大震災津波からまもなく9年。日本共産党の被災地調査で、岩手県と宮城県にうかがいました。
 毎年訪れている陸前高田市は、行くたびに新しい道路や建物ができ、見た目の変化を感じます。同時に、どこでも時間の経過とともに新しい問題も起きています。災害公営住宅では高齢化と生活苦が進み、孤独死が増えています。コミュニティーの確立、支援員の確保が課題になっています。
 災害公営住宅の家賃は、月収15万8千円を超える世帯となって公営住宅には入居できないとなっていますが、大震災被災地では入居可能になります。しかし、4年目から家賃が一気にはね上がることで収入超過となる若い世帯などは退去せざるを得ず、自治会役員のなり手がいなくなるなどの問題も起きています。
 陸前高田市は、若い世帯の要望にこたえ「みなし特定公共賃貸」という制度を災害住宅で初めて導入。中堅所得層も入居可能になり、家賃も抑えられ、喜ばれています。
 政府は復興庁の設置継続方針を示しています。当初、地震・津波被災地は5年間と期間を示したことに、岩手でも宮城でも「被災地の実態を踏まえるべきだ」「5年で終わったことにならないように」と批判の声があがりました。
 期限で区切るのではなく、被災地が生活と生業(なりわい)を再建できるまで支援を継続するよう国にしっかり求めていきたいと思います。

2020年2月26日水曜日

被災の困難乗り越えて


紙 智子 参議院議員
「国会かけある記」

 
参院復興特別委員会の派遣で宮城県の亘理町と山元町のいちご団地をたずねました。
9年前の震災直後に訪問したことがよみがえります。津波で惨憺たる状況、農家は避難生活を余儀なくされました。農協では、「若い担い手が増え、これからというときだった。一個食べたら、もう一個食べたくなるいちごを目指し‶もういっこ″とネーミングした。希望をもって営農できるよう再開したい」と訴えられました。
津波でガチガチに固まった土砂を取り除くのに時間がかかります。地面から高く上げた水耕栽培を支援できないかと質問しました。翌年、可能になったと農水省からの知らせがきました。前に一歩すすみました。
あれから9年経ったいちご団地のいまの姿を聞きました。山元町のいちご栽培を手掛けるIさんは、ITの仕事をやめて故郷に戻り、幼なじみのHさん、イチゴづくり40年の農家のHさんと法人を立ち上げいちご栽培に取り組んでいます。
亘理町のイチゴ農家のMさんは、震災後に北海道伊達市に移住し、北海道の気候に合ういちご「すずあかね」の栽培に成功したと言うことです。困難な時に温かく受け入れてくれた地域の皆さんに支えられた。その恩返しに後進の指導に当たった、と。いまは両親のいる故郷、亘理に戻って頑張る決意をしたことを知りました。やり方は違うけれど、困難を乗り越える努力に学ばされます。災害で被災した方々が、前に向かえるように役だちたいと思います

2020年2月22日土曜日

元島民故郷への思い


紙 智子 参議院議員
「国民の願いを胸に」

 参院沖縄北方特別委員会として、北方領土隣接地域に入りました。
 雪による天候不良で送れてスタートしました。納沙布岬に到着した時には、うっすらと貝殻島(納沙布岬から3.7㌔)の灯台が見えました。初めて見た委員は、「こんなに近いのに、自由に行くこともできないなんて」とつぶやきます。
 元島民の千島・歯舞居住者連盟の皆さんとの意見交換では、冒頭「わが国固有の領土であるという言葉が政府から薄れていて残念だ。ロシアと何度も話をているが、前に進んでいるのか」と厳しい言葉が発せられました。「元島民の平均年齢は84.5歳となり、残された時間は少ない、少しでも領土問題を動かしてほしい」と、胸に詰まった思いが述べられました。
 旧ソ連軍は、終戦直後から択捉、国後、北海道の一部である、色丹島、歯舞群島まで占領しました。
 ソ連兵に見つかれば命はないと、恐怖の中で着の身着のまま、漁船で島を脱出せざるを得なかった。あれから75年たっても帰れないまま。「生きているうちにこの足で、ふるさとの土を踏みたい、先祖の墓参りをしたい」と、国に解決を求めるなど、返還運動を続けてきました。
 それでも、元島民の方々のあたりまえの思いを拒んでいる現実があります。ロシアと安易な妥協をすることなく正面から返還を求めるべきです。


2020年2月19日水曜日

医療・介護に希望を


畠山 和也 前衆議院議員
「かけある記」

新型コロナウイルスの広がりが心配です。検査体制の抜本的拡充や病床の確保なども含めた補正予算の検討をするよう、日本共産党は加藤厚労相へ求めました。クルーズ船乗客への対応も改善が必要です。民間医療機関などの力も必要とされている時に、公立・公的病院の方は再編・統合するなどもってのほかです。
 1人ひとりの命や尊厳を守る医療・介護の現場は、国の社会保障抑制路線によって人手不足が深刻です。札幌で先日ひらかれた「くらしと命を守れ!北海道総決起集会」。あるケアマネージャーからの「夜勤をしても手取り20万円に届かない介護職員が多数います。しかし、この仕事が好きだからとがんばっているのです」との訴えが胸に響きました。
 10年前の3月、7人が亡くなった札幌のグループホーム火災。夜勤の体制は1人でした。その後、施設へのスプリンクラー設置支援は不十分ながら進んだものの、介護職員の処遇改善などはまだまだ遅れています。北海道は今後5年間で2万人以上の介護職員が必要と試算されている一方で、施設の休止・閉鎖が各地で広がっているのです。
訪問介護で働いている私のいとこが「安倍首相って、介護現場のことをわかってないんじゃないか」と憤っていたことがあります。いとこの父を見送る通夜の時でした。「桜」疑惑から責任逃れをしようとする安倍首相を見るたびに、ウソやごまかしなく国民にまっすぐ目を向けた政治にしなければと決意する毎日です。

2020年2月15日土曜日

被災地に届け政治の力


畠山 和也 前衆議院議員
「国民の願いを胸に」
 
 北海道地震から来月で1年半を迎えます。大きな被害を受けた安平町にいた12日夜、ミシミシッと家が揺れました。テレビの速報を見たら、東北地方でも震度4を記録する別の地震が同時刻に起きていました。ドキリとしました。
 安平町は震度3。訪問していたお宅で女性の方は「家のゆがみが直っていない。大きな地震が来ても逃げられない」と語られ、「本当は心配なんです」とポツリ。忘れられない大地震の経験はいまなお心に傷が残っているだけでなく、住まいや仕事などの現実的な不安と結びついていることに胸が痛みます。
 党苫小牧地区委員会の北海道地震災害対策本部が厚真、安平、むかわ町で住宅・健康・生活アンケートを行いまいした。「持ち金が底をついてきた」「ヒビや亀裂が大きくなってきている」「熟睡できない」「精神的に不安定になり、血圧が上がるようになった」-。誰にも話せずアンケートはがきに託した方がいるかと思うと、もどかしくも何とか力になれないかと思います。
 来月で東日本大震災からも9年。以前の生活に戻れない方が東北でも北海道でも残されています。先のアンケートにいまは失業中ながらも、「仕事ができるようになったときに力になりたい」と家族を亡くした男性の言葉がありました。人の痛みに寄り添う、後押しできる政治の力こそ求められています。


2020年2月12日水曜日

変化をつくる市民の力


岩渕 友 参議院議員
「国会かけある記」

 京都市長選挙。結果は残念でしたが、ともにたたかった方々から話を聞くと、一様に「楽しい選挙だった」という声が返ってきます。党大会で、核兵器をなくす世界的なうねりが市民の運動でつくられてきたと報告されましたが、京都でも政策であらゆる人たちとつながり、反共攻撃に「民主主義の破壊は許さない」と批判が広がるなど、市民が政治をつくる流れがますます大きくなっていることを感じます。福山和人さんが、18歳、19歳で圧倒的な支持、30代で最も多い支持を得、次のたたかいにつながる結果になったことも嬉しいことです。
 この間、釧路、北見の新春のつどいによんでいただき、参加されたみなさんと交流することができました。北見にうかがうのは国会に送っていただいて初めてのこと。みなさんのところに挨拶にまわると、「安倍政権を早く終わらせようね」「この前入党したんだよ」「長い間自民党支持してきたけれど、今は共産党応援している」などなど、いろいろな声がかかります。政治を変えたいと行動し、変化をつくる市民の力はどこでも発揮されているのだと感じます。
つどいは歌あり、劇あり、手品あり。楽しい時間を参加者みんなで分かち合って、頑張る力にしようと準備されてきたみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。みなさんと大きな声で笑ったり、歌ったりしていると元気がわいてきます。みなさんからいただいた元気を力に引き続き頑張ります。
 

2020年2月5日水曜日

国会論戦と活発なたたかい


紙 智子 参議院議員
「国会かけある記」

 
政府の施政方針演説を受け、代表質問、補正予算の質疑が始まりました。野党は「桜を見る会」「IRカジノ疑惑」「自衛隊の中東派遣」問題などを追及。安倍総理は、ごまかし逃げようとしていた問題を引き戻され、新たな問題も発覚したため支離滅裂な答弁をくり返します。「(桜を見る会への)参加者を幅広く募ったが募集はしていない」との答弁はあきれるばかり。カジノ疑惑でも事業者から金を受け取り収賄罪で逮捕されるような人物をなぜ任命したのかと問われ、「専門性や・・総合的に判断」などと答え失笑が起きました。政権に固執する安倍総理には理屈も道理もなく、あるのはウソとごまかしだけです。
国会論戦と相まって各分野のたたかいも活発です。
春闘共闘・大幅賃上げへの決起集会、辺野古新基地建設ノー、オスプレイ配備撤回を求める院内集会、「ゲノム編集食品・作物の規制と表示を求める」署名は44万7725筆を提出。じん肺新春の集いでは、新北海道石炭じん肺5陣の解決報告とすべてのじん肺根絶への決意。家族農業プラットホーム・ジャパン院内集会では「新食料・農業・農村基本計画」への提案が。千葉県で行われた沿岸漁民の新春の集いでは、新漁業法の問題点と現在の課題を確認し、政治への働きかけを意思統一しました。
京都市長選の結果は、残念だったけれど、出口調査で1819歳の中では福山和人さんがリード。次への希望につながります