2021年2月24日水曜日

多喜二と母セキさんのこと

 

紙 智子 参議院議員

「国会かけある記」


「ああ、またこの二月の月かきた、ほんとうにこの二月とゆ月か、いやな月こいをいパいになきたい、どこにいてもなかれない、あーてもラチオてしこすたしかる、あーなみたかてる、めかねかくもる」(原文)これは、小林多喜二の母セキさんが亡くなった後、遺品の中から見つかった紙片に書かれていたといいます。多喜二に手紙を書きたい一心で字を覚え、たどたどしい字で書かれています。毎年2月になると、わが子への断ちがたい思いがよみがえる母親の言葉は、誰の胸をも打たずにはいられません。

2月20日は多喜二が治安維持法下で特高警察によって命を奪われてから88周年です。「杉並・中野・渋谷第33回多喜二祭」が、コロナ対策を取りながら開催されました。何を話すか悩みに悩んで、私は、多喜二の作品やその生き方に触れ、何を受け継ぐのか話しました。

亡くなった夫から、多喜二の母セキさんを訪ね、入党をすすめた経験を聞き、驚いたことがありました。「こんなばあさんが入って若い人が元気になるならいいよ」と、申込書に「小林セキ」と名前だけ書いて宙を仰ぎ「天国に行ったらあんちゃんなんて言うかな」と言ってフッと微笑んだといいます。

「多喜二が命がけで守った党に入ることで、すこしでも近づけるように思ったのかもしれない」。今、多喜二が生きていたら、きっと現在を迫力満点に書いたに違いない。命がけでつないできた多喜二の挑戦を、いまこそ成し遂げるときです。


2021年2月20日土曜日

労働者の救済平等に

 

紙 智子 参議院議員

「国民の根がを胸に」


 首都圏青年ユニオン、飲食店ユニオンがが行った厚生労働省への要請と交渉に私も同席しました。

 新型コロナウイルス感染症によって、シフトで制で働く非正規労働者や登録型派遣の労働者は、仕事と収入が激減しているのに、休業手当が支給されず生活に困窮しています。

 大手のホテルで宴会など準備や撤収で働いているAさんは、宴会がなくなりシフトが減らされたため休まざるを得ませんが、ホテル側が休業と認めません。

 「昨年から10カ月も休業手当もない、その状況を想像してほしい」と訴えました。

 中小企業では昨年4月以降、休業前賃金の8割支給されていますが、大企は昨年4・6月までと限定し賃金は6割です。しかも7・10月の期間は対象から外れています。「差をつけず、苦境にある労働者に平等に支援してほしい」ともっともな訴えです。何としても実現させたいと思います。

 17日には函館に飛び、新幹線のトンネル残土の調査と懇談、函館市ホテル旅館協同組合の理事長と湯の川温泉旅館協同組合の事務局長さんにもお会いしました。

 昨年2月以降のコロナの影響によって、休業しているところが10軒あると言います。ホテルなど耐震の回収費の返済が始まるときにコロナでの減収。当面の資金繰りが大変です。実態にあった柔軟な支援を要請されました。

 関係業者、地域経済全体の立て直しへ気迫を込めて奮闘する業界に今こそ政治の役割が問われています。



2021年2月17日水曜日

働く仲間の底力

 

畠山 和也 前衆議院議員

「かけある記」

全道労働者後援会の決起集会がおこなわれ参加しました。コロナ下ということでオンラインでしたが、産別・地域の後援会員さんと語り合う双方向の形式で、遠い距離を感じさせない心がひとつになる集会でした。

 「感染のゴールが見えない状況に、看護師の7割が精神的負担を感じながら働いている」(医療)、「日本製紙の撤退表明で、雇用や地域経済への不安が高まっている」(釧路)などの重い課題とともに、「運動と国会論戦が重なり合って、35人学級への道が開かれた」(教職員)という確信も交流されました。困難に負けない、働く仲間の底力が伝わってきます。

 ふと頭のなかに、荒木栄の「地底のうた」のメロディーが流れました。三池闘争を描いた男声組曲で、あらためて調べたら曲ができたのが一九六一年なので、今年でちょうど六〇年。私が生まれる十年前の曲でも、胸に迫ってくる「悲しみも喜びも分け合う仲間/闇の中でも心は通う」との歌詞。団結と連帯こそ働く仲間の力!

 二月は西田信春(十一日)・野呂榮太郎(十九日)・小林多喜二(二十日)と、党の先輩たちが拷問・虐殺により志半ばで命を奪われた月です。しかし、どの先輩たちも展望は失っていませんでした。歴史を動かすのは労働者の力だと、深い確信があったからです。

「そして、彼等は、立ち上がった。――もう一度!」。「蟹工船」のラストの場面に、どれだけ私も励まされてきたことか。必ず春はやってきます。

2021年2月13日土曜日

困難 人ごとでない

 

畠山 和也 前衆議院議員

「国民の願いを胸に」

 

 私も通った北海道教育大学釧路校で、教職員組合が学生に食料支援を行ったとの記事が本紙(「しんぶん赤旗」)にのりました(12日)。懇親会のために蓄えていた財政を使ったとのこと。学生を支えようとの熱い思いに感激しました。

 同校は釧路市街からの学生が多く、アルバイト先も飲食・サービス業が多かったように思います。私も週6日、早朝から昼までホテルのレストランで働き、午後から講義を受けるという毎日でした。もし当時コロナ禍に襲われていたら、私も学業を諦めていたかもしれない。いま学生が直面している不安や困難はとても人ごとではありません。

 民青同盟や大学教職員、労働組合や大学生協による支援が広がるもと、菅政権は何をしているのでしょう。不安を抱える学生に「心配しないで。卒業するまで国が学生生活を支えます」という温かいメッセージも聞かれません。国民が飢えている苦しみに胸が痛まないのでしょうか。

 「再度の給付金がなければ店を閉めると、仲間のみんなが話している」(しんきゅう師)、「休業中は有給休暇を使わせられ、非正規の仲間は生活が苦しくなっている」(コールセンター)との声も聞きました。総選挙を待たずして、早く新しい政治をしなければとの思いでいっぱいです。

 先日、宣伝する前に私の持っていたプラスターをまじまじと見ていた方が「頑張って」と拍手。宣伝が始まるとガッツポーズで通り過ぎていく方。何としても期待に応えたい。


2021年2月10日水曜日

ジェンダー平等、多様性を尊重する社会へ

 

岩渕 友 参議院議員

「国会かけある記」


 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと女性蔑視発言を行ったことに怒りが広がっています。ツイッター上では「#森喜朗氏の退任を求めます」などのハッシュタグをつけたツイートが拡散され、森氏の処遇の検討及び再発防止を求めるネット署名は10万人を超え、直近の世論調査も、発言に「問題がある」と答えた人が91%にも上りました。各国の大使館が「#DontBeSilent」と男女平等を求める抗議を行うなど、国際的な大問題となっています。

 謝罪し、発言は撤回したといいますが、内容は開き直りそのものです。

 オリンピックについても「新型コロナウイルスがどういう形だろうと必ずやる」とも述べており、コロナ禍で開催ありきの姿勢に批判が集まっています。森氏をこのまま続投させるのか、政府の責任が問われます。

 森氏の発言が行われた評議員会では笑いが起きたといいます。失笑では済まされません。国会では女性が自分だけという場面がよくあります。わきまえずにモノを言える社会、あらゆる場面に女性がいることが当たり前の社会にすることが重要です。男女格差の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数は、日本は世界で121位。世界と比べて圧倒的に遅れています。ジェンダー平等、多様性を尊重しあう政府の実現へ。みなさんと力を合わせたいと思います。


2021年2月3日水曜日

市民と野党の共闘で政権交代を

 

紙 智子 参議院議員

「国会かけある記」


北海道「市民と野党のシンポジウム」に東京からオンラインで参加しました。予行演習がなかったので不安でしたが、つながってホットしました。

あいさつでは、国会がはじまり二週間、衆参でおこなわれた第3次補正予算の議論、新型コロナ特措法等の論戦を紹介しました。第3次補正予算案は、GoToなど急ぐ必要のない予算を撤回し、医療の強化、検査の徹底、事業や雇用、生活困窮者の支援などを抜本的に強化するよう野党が共同で組替え動議を提出しましたが、自民、公明、維新により否決されました。

新型コロナ特措法・感染症法改定案でも野党が共同して罰則規定の撤回を要求、罰則規定の刑事罰を削除せざるを得なくなりました。政府の審議会で反対・慎重の意見が多かったのに、菅政権は「おおむね賛成」などと法案を提出したこと自体問題です。安倍前政権以来、ゴマカシ体質は変わっていません。

さて、重要なのが4月に行われる北海道2区の補欠選挙です。吉川貴盛元農水相が大手鶏卵会社から裏金を受け取り、議員を辞職したために行われますが、自民は候補をたてられません。なぜ、裏金を受け取ったのか、行政をゆがめたのではないか。真相を明らかにすべきです。 

安倍前政権以来、「政治とカネ」の問題があとを立ちません。政治の私物化、カネにまみれた政治を終わらせるために、市民と野党の共同で政権交代をめざします。リモート、オンラインも活用して対話を広げましょう