2022年8月31日水曜日

復興支援を続けて

 

紙 智子 参議院議員

「国会かけある記」


 

「被災地から日本農業の再生と食料主権を訴えるシンポジウム」が岡山大学名誉教授・長野県農協地域開発機構研究所長の小松泰信さんを迎えて仙台市若林区で開催され参加しました。

 東日本大震災から11年、惨たんたる状態から懸命な努力が続けられてきました。町内会で地域と農業の再生に取り組む三本塚、「住むな」「住んでもいい」と行政に翻弄された井戸浜。

 「農業を通して荒浜のコミュニティ再生をめざす」と立ち上げた「せんだいあらはま」代表の松木長男代表は、400年にわたり積み上げた肥沃な土壌が津波によって剥ぎ取られ客土を行ったが、まだ出るガレキと地力低下が課題だと語ります。この問題を国会で取り上げると大臣が「現場を見て原因を追究しながら取り組みたい」と答弁、副大臣を派遣し7月には「仙台東地区営農支援連絡会」が設置されました。声を上げ続けることの大切さを実感しました。

 地産地消の取り組みも進んでいます。宮城県生協連の加藤房子さんは、「環境保全米を学校給食に根付かせ、農家の取り組みを応援するために行政を動かしたい」と語りました。

 小松先生は、農業白書では大規模化、先端農業を紹介し復興が進んでいることを強調しているが、地力の問題などまったくふれていない問題を指摘、復興はまだ終わっていないと言い続けたいと強調されました。見た目には綺麗な田園風景ですが、生業に目を向けた支援を続けたいと強く思いました。


2022年8月27日土曜日

統一協会の被害者救済を

 


 紙 智子 参議院議員

「国民の願いを胸に」


 

 北海道の自由法曹団と青年法律家協会共催の「統一協会その違法な伝道・教化の手法」と題するオンライン講演会に参加しました。

 安倍晋三元首相が狙撃された痛ましい事件から一カ月余。犯人の母親の人生を狂わせ家族を崩壊させた世界平和統一家庭連合(統一協会)への恨みが動機であって、統一協会と深いかかわりを持つ元首相を標的としたことが明らかになりました。

 彼らは、1970年代から霊感商法、集団結婚など、多くの被害者をつくり、人権を著しく蹂躙(じゅうりん)してきた反社会的カルト集団です。弁護士連合会は、この団体の正体を明らかにし、政治家が関わりを持たないよう警告を発していました。なのに、なぜ今日まで存続できたのか。

 自民党を中心とする政治家と「反共主義」で一致して結びつき、政治家が団体の広告塔の役割を果たすことと引き換えに、選挙で支援をうけるなど、癒着の関係があると報告されました。それではどのような手法で人々を洗脳し操ってきたのか。巧妙なやり口を聞くと驚きとともに、きわめて悪質で許しがたい犯罪だということがわかります。

 素性を知りながら、彼らの悪行を免罪してきた政治家は事実を明らかにし、被害者に謝罪すべきです。「知らなかった」では済まされません。

 国会では野党が国会開会を要求しても応じず、自民党は党としての自浄能力もありません。このような犯罪を根絶し、被害者救済に力を尽くすことこそ政治の責任だと思います。


2022年8月24日水曜日

災害 心折れぬ支援を

 


 岩渕 友 参議院議員

「国民の願いを胸に」


 大雨被害が続いています。高橋千鶴子衆院議員を先頭に東北各地で被害の実態をつかみ、北海道では紙智子参院議員が農業被害を調査しています。

 私も宮城、山形、秋田、福島で話をうかがってきました。7年間に3度の被害にあった宮城県大崎市のように、短期間に繰り返し被害が発生しています。河川の改修が進められていますが、その進捗(しんちょく)を上回る頻度や規模で災害が起きています。

 秋田県三種(みたね)町のように、「10日に被害が出て片付けていたのに、13日にまた被害」と今回の大雨で何度も被害にあっているところもあります。

 「田んぼも浸水し、今回の作柄は期待できない。このままでは地域がだめになる」という訴えも寄せられました。高齢化も深刻です。「この年だし、お金をかけて畳を入れなくても板をしいておけば十分」、こう話してくれた方もいたと聞きました。

 胸が痛むとともに、安心して生活を再建できる支援、重なる災害に心が折れない十分な支援が求められています。現地のみなさんとも連携しながら国に対策を求めていきます。

 災害への緊急支援も含め、国会審議が必要な問題が山積みです。閉会中審査は衆議員の厚生労働委員会で数時間、「国葬」問題では総理が出席できない日程での審議にしようとするなど、政府は国民にまともに説明しようとしていません。徹底審議を求める声を上げていきましょう。


大雨被害、国は十分な対策、支援を                 

 



岩渕 友 参議院議員

「国会かけある記」


コロナの感染拡大、物価高騰、国葬問題、統一協会と自民党との癒着が次々明らかになるなど、審議しなければならない問題が山積みなのに、臨時国会がたった3日間で閉会。閉会中審査は、衆議院の厚生労働委員会でごくわずか、国葬問題を岸田首相が出席できない日程で行おうとするなど、政府は国民に対してまともに説明しようとしていません。野党は衆参で国会を召集するよう求めており、岸田首相はこれに応えるべきです。

 北海道や東北、全国で続く大雨被害は深刻です。北海道の農業被害については、紙智子参院議員が調査を行っています。私は東北の各地で被害調査を行っています。何度も被害が発生している河川や、「改修を行っているところだったのに」というところも多くあります。河川改修が災害の頻度や規模に追いついていません。気候危機対策は待ったなしです。

 記録的な大雨が何度も降り続けるなかで、「片づけ途中だったところにまた浸水。田んぼも水びだしで今年の作柄は期待できない。このままでは地域がだめになる」「高齢だしお金をかけて畳の交換なんかできない。板をひけばそれでいい」という話も聞き、被災された方々がどんな思いでいるのか胸が痛みます。

 安心して生活を再建できるだけの支援、どの分野でも心が折れることのないような支援を十分に行う必要があります。地元と連携しながら国に対策を求めます。


2022年8月17日水曜日

「知里幸恵 銀のしずく記念館」を訪れて

 

紙 智子 参議院議員

「国会かけある記」


北海道登別市の「知里幸恵 銀のしずく記念館」を訪れました。知里幸恵は明治生まれです(1903~1922年)。言語学の第一人者である金田一京助氏の勧めでアイヌ民族の「カムイユカラ(神謡)」の文章化に取り組みました。

 「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに、という歌を私は歌いながら流れに沿って下り、人間の村の上を通りながら下を眺めると、昔の貧乏人が今お金持ちになっていて、昔のお金持ちが今貧乏人になっているようです」。

 これは「フクロウのカムイユカラ」の冒頭の部分です。語り継がれていた話をローマ字で表記し、日本語訳とあわせて「アイヌ神謡集」にしました。知里は心臓病のために19歳で生涯を閉じました。

 私は以前、アイヌ語の話者でありアイヌ語教室の中本ムツ子先生が知里のアイヌ神謡集を歌いカムイユカラにふれたことを思い出しました。「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに」を「shirokanipe ranran pishkan.konkanipe ranran pishkan」とリズムを刻みながら歌うユカラの響きはとても心地よいものでした。

 知里は「アイヌに生まれアイヌ語の中に生い立った私は、先祖が残し伝えた多くの美しい言葉を消滅させるのは名残惜しい。いろいろな物語を、多くの人に読んでいただければ無限の喜び、無上の幸福に存じます」と語っています。その思いに少しでもふれた思いです。


2022年8月3日水曜日

汚染水海洋放出の強行は許さない

 



岩渕 友 参議院議員

「国会かけある記」


 東京電力福島第一原発事故によって汚染水が今も増え続けるもとで、原子力規制委員会が海洋放出する設備計画を認可しました。計画には1200件を超える意見が寄せられ、漁業者だけでなく、宮城県知事が「海洋放出以外の方法の検討を」求めるなど、反対や懸念の声があがっています。政府と東京電力は福島県漁連と「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と約束し、漁業者が反対しているにも関わらず、海洋放出の方針を強行し、認可の必要がない工事を「環境整備」と称して進めてきました。

 参議院選挙後、福島県漁連から初めて電報をいただきました。大きな激励だと思っています。その思いを受け止めて、海洋放出を強行させない世論と運動を広げていきたい。

 この間、選挙結果を報告しながらご意見などをうかがっています。「88歳だけれど、いてもたってもいられなくて自分で原稿をつくってメガホン宣伝に参加した」など、胸が熱くなることばかり。改めて感謝の思いでいっぱいです。

 コロナの感染拡大、物価高騰、国葬や旧統一協会と自民党との関係など、どこでも話が止まりません。こんなに問題が噴出しているにも関わらず、臨時国会をまともな議論もしないまま終わらせようとする。これでは命もくらしも守ることはできません。素早い対策、十分な議論、真相解明など、閉会中審査の開催を含めて迫っていくとともに、こんな政治を変える力をつけるために頑張りたい。