森つねと 道国政相談室長
「かけある記」
JR北海道の事故が後を絶ちません。昨年12月27日の
早朝、旭川市に隣接する鷹栖町のJR函館線・嵐山トン
ネル内で火災が発生。鎮火まで約7時間を要しました。
この問題で先月、畠山和也衆院議員、真下紀子道議と
ともに現地調査に入りました。
氷点下20度近くまで冷え込んだこの日、トンネル脇を流
れる石狩川には川霧が発生していました。事故当時も
寒空のもと、代行バスを待つ利用客の長蛇の列がで
たといいます。
現場に近づくと、トンネル入口の上部に黒いススの跡がくっきりと残り、事故の大きさを物語っていました。もし火災が日中の営業時間に発生していたら…と考えると、ぞっとします。
JR北海道の担当者によると、事故原因は調査中としながらも、
電車に電力を供給する架線とつららが接触し、トンネル内壁に貼られている
ポリエチレン製断熱防水板に漏電した可能性に言及しました。
新幹線のトンネルには建設時に防水工事が施されていますが、旧来のトンネルでは
安価で燃えやすい断熱防水板を後付けしているのが現状です。一方、全道176の
同社のトンネルで、火災を想定した訓練が進んでいないことも明らかになりました。
JRの担当者は説明のなかで、事業範囲の「『選択と集中』が必要」だと述べ
ました。「選択」というのなら、道民の足と安全を選んでほしい。新幹線の延伸を
優先し、地方路線を切り捨てるなら本末転倒です。