紙 智子 参院議員
「国会かけある記」
沿岸の漁業者の話を聞いて、考えさせられたことがあり
ます。定置網で「魚を取ろうとしたのに、ヨコワ
(クロマグロの子供、30kg以下のもの)が大量に入って
しまう。逃がそうとして網を下げると、他の魚も逃げて
しまう。ヨコワは、高速でビュンビュン、泳ぐ魚なので、
網にかかると、ぶつかり合って傷つき弱ってしまい網から
逃がしても死んでしまう。
クロマグロが無駄になっている。それなのに北海道の漁獲枠はゼロ、獲ったら罰せられる」。クロマグロ漁の漁獲規制をめぐってこんなことが起こっています。
海の資源を守り、回復できるように努力が必要なことは言うまでもありませんが、
資源管理の難しさが明らかになりました。クロマグロ漁の漁獲規制は国際的約束を守る
ためですが、なぜ、国が管理している大型船の漁獲枠の規制を強化しないのか。
魚が獲れなければ沿岸漁業・家族漁業は成り立ちません。それでも休漁を迫るのであれば、しっかり補償し、小規模な漁業者の生活が成り立つようにすべきです。
突然、衆議院本会議で「漁業法改正案」の審議が始まりました。政府・与党は、現場の漁業者の意見も聞かず、まともな資料も説明もないまま審議を強行しようとしています。
クロマグロの漁獲規制や外国人労働者の受け入れ拡大をすすめる入管法改正案と同じ
構造です。「漁業の成長産業化」の名のもとに企業の利益を優先する。現場に混乱と
対立をもたらすやり方は許されません。