紙 智子 参議院議員
「国会かけある記」
アイヌ民族の「古布絵(こふえ)」作家で詩人の宇梶静江さんを訪問する機会がありました。宇梶さんの自伝「大地よ!」を読み、一度お話をしたいと思っていました。昨年、埼玉県から白老町に移住し、生まれ育った北海道の大地で、アイヌとは何かを共に考え語り合う「アイヌ学」を立ち上げ活動を始められました。
1996年、アイヌの伝統刺繍の技法を基にユーカラに語られてきたアイヌの叙事詩を「古布絵」で表現する独自の手法を確立し、以後「古布絵」作家として活動されています。作品に登場するセミやカエル、シマフクロウなどの生き物たちが、自然のなかで生き生きした表情で描かれる魅力的な作品です。
宇梶さんは、浦河町にあるアイヌ集落で幼少期を過ごし、札幌の学校を卒業後上京。様々な体験をしながら、詩を書き、自分の中に培われていた創作意欲を開花させていきました。
原風景はアイヌコタン。1972年「朝日新聞」の「生活欄」への投稿で「ウタリたちよ、手をつなごう」と自らアイヌとして生きる決意に立ち、呼びかけました。自伝の中で「私の内なるアイヌは、臨界状態に達していたのでしょう」と書かれています。アイヌに向けられたいわれなき差別に対して、それが何なのか、ともに語りあいたい。東京でもウタリ会をもちたい。同胞の真の解放ができるならこんな大きな喜びはない・・・と。その信念が生かされる日本に! ともに歩みたい!
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