紙 智子 参議院議員
「国会かけある記」
農民連食品分析センター初代所長を担われた石黒昌孝さんが亡くなられました。心から哀悼の意を表します。石黒さんは、横浜や東京の税関の分析官をされ、全国税関労働組合委員長もされました。
退職後、分析センターの所長として、日本の農業、食の安全・安心を守る運動に身を投じ、自民党政府の輸入自由化路線のもと、大量の農畜産物の検疫体制の不十分さを指摘されました。
思い出すのが2001年12月に農民連の分析センターがいち早く輸入冷凍野菜の検査を行い、中国からの冷凍ホウレンソウから日本基準値(0.001PPM)の9倍もの農薬(クロルピリホス)の検出結果を公表したことです。それがきっかけで、厚生労働省が輸入冷凍野菜の検査を行わざるを得なくなりました。他にも、ミニマムアクセス米の事故米の不正流通問題、中国からの毒入り輸入餃子による中毒問題など、食の安全への信頼を損なう問題が繰り返される中、科学的な分析とデータが世論を動かしました。
最近では、輸入小麦を原料に使った学校給食のパンからグリホサート(残留農薬)が検出された問題は、私も分析センターのデータと協力を得て国会で質問し大きな反響がありました。学校給食に輸入小麦を使わせない運動、国内でグリホサートを使用しない動きが広がっています。石黒さんの功績はこれからも生き続けると確信します。
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