2024年6月26日水曜日

全道で「核ごみ押し付けるな」の声を

 

畠山 和也 元衆議院議員

「かけある記」


しばらくぶりに寿都町へ。3月に福島県浪江町などを訪れた前町議の幸坂順子さんの報告会に、私も参加させていただきました。町長候補だった越前谷由樹町議や「町民の会」のみなさんなど、多くの方が足を運ばれていました。幸坂さんを先頭に、地元党組織が「核のごみ」文献調査やめよと奮闘してきた結果です。

 町は24日から町内7カ所で、核ごみ・地層処分の「勉強会」を開きます。「概要調査に進む準備では」「事前に資料も示されず、進め方が雑過ぎる」などのほか、道条例があるから反対という鈴木知事の姿勢も「『今の段階で』というのが心配だ」との意見が相次ぎました。

 町長の文献調査受け入れ表明から、もうすぐ4年。ある町民は「こんなに長く運動するとは思わなかった」と言います。誰もが寿都を愛する気持ちは同じなのに、賛成か反対かで町民同士がギスギスする――札束を使って核ごみ受け入れをと迫ってくる、自民党政治の罪深さを痛感します。さらに町民を苦しませることは許されない。

 「核ごみの調査を、共産党はどう考えますか」。札幌市内のつどいの場で、私に質問した方は寿都町出身で、町民同士の分断に胸を痛めているといいます。反対の声を全道であげましょうと呼びかけると、この方はニッコリ。その後に入党を決意してくださいました。

 党小樽地区は来月13日に、岩内町で「原発・核ごみシンポジウム」を開きます。原発ゼロ・核ごみ押しつけるなの声を広げていきたい。


2024年6月15日土曜日

激動の国会 残り1週間

  


 紙 智子 参議院議員

「国民の願いを胸に」


 

1月から始まった国会は、会期末まで残り1週間となりました。

「しんぶん赤旗」のスクープをきっかけに国民の怒りに火を付けた裏金疑惑は岸田政権を断崖絶壁まで追い詰めつつあります。岸田首相は「誰の指示で裏金のシステムがつくられ、何に使ったのか」と聞かれても真相解明を拒否。裏金議員は誰一人真相を語りません。ようやく出された政治資金規正法改定案は肝心力ナメの「企業・団体献金、パーティー券禁止」はなしそれどころか、法律になかった政策活動費を合法化するという改悪案です。公明党と維新が悪法に手を貸し、抜け穴だらけの法案を参議院に送ってきました。参議院ではわが党が「企業・団体献金全面禁止法案」と「政党助成金の廃止法案」を提出しています。際立ったのは、井上哲士参院幹事長が法案の趣旨説明をし、山下よしき副委員長の質問に答えたことです。党単独で提出した法案を与党法案と並べて審議したのは24年ぶり。真の改革案を出した党の姿に期待が広がっています。

農林水産省が出してきた「食料供給困難事態法」はとんでもない悪法です。農産物の輸入自由化を進めて自己責任を迫る新自由主義的な農政を進めながら、いざ食料が足りなくなれば生産者に増産や生産転換を指示、計画を出さなければ罰金刑を科すという強権的、統制的な法律です。戦争する国づくりと軌を一にした悪法であることも明らかに。暴走する政治転換へ、力を合わせましょう。


2024年6月10日月曜日

企業献金見返り減税ノー

 


 岩渕 友 参議院議員

「国民の願いを胸に」

衆議院で政治資金規正法改定案が可決されました。自民、公明、そして維新の会が賛成した案は、企業・団体献金の禁止に一切触れることなく「政策活動費」を新たに書き込み合法化させるもので、改革どころか後退させるものです。かつて公明党は自民党と「同じ穴のむじなと思われたくない」と言っていましたが、むじなそのもの、「むじな3兄弟」と言われるのも当然です。国民の納得を得られるものではありません。

参議院では、日本共産党が提出した法案も審議をされることになります。党単独で提出した法案が審議されるのは実に24年ぶりのことだそう。世論と運動、徹底的な審議で自民党案を廃案へ追い込み、企業・団体献金禁止実現にみなさんと力を合わせたい。

企業・団体献金が政治をゆがめている実態はさまざまにあらわれています。先日審議した産業競争力強化法改定案では、電気自動車や半導体などを対象に、生産量、販売量に応じて減税する制度が創設されました。減税額は10年で約19兆円にのぼります。そのほとんどは大企業が生産・販売することになります。

審議では、対象になると想定されるトヨタ自動車などをはじめ、名だたる大企業が自民党の政治資金団体に多額の献金をしていることを示し、減税は献金の見返りと見られるのではないかと大臣に迫りました。大企業には減税や優遇、国民には負担増。自民党政治を終わらせて、こんな政治を変えていきましょう。

 


2024年6月5日水曜日

「失われた40年」にしない

 



岩渕 友 参議院議員

「国会かけある記」


経済産業委員会で大企業に新たな減税を行うことが盛り込まれた産業競争力強化法改定案が採決されました。厳しく抗議したいと思います。

 この法律は2013年に「失われた20年」からの脱却を目的に制定されました。今回の改定では「失われた30年」から脱却するといいます。「失われた30年」の原因を「コストカットと国内投資の停滞」と分析していますが、足元では実質賃金は24ヶ月連続のマイナス。政府がいう「潮目の変化」などとは到底言えません。このままでは「失われた40年」になってしまいます。

 ところが、今度の改定で、電気自動車や半導体などを対象物資とし、その生産量と販売量に応じて減税する制度の創設が盛り込まれ、その額は10年間で約1・9兆円にものぼります。ほとんどを大企業が生産し販売することになります。

 委員会質問で、トヨタ自動車など対象になると想定される大企業が自民党の政治資金団体に多額の献金をしていることを示し、これでは献金の見返りとみられるのではないかと迫りました。とても国民の納得を得られるものではありません。

 半導体をめぐっては、巨額の補助金をうけているラピダスが、軍事目的での利用を視野に開発を進めようとしていることについて、軍事利用の歯止めが必要と迫りました。「営業の自由等の観点から慎重であるべき」との答弁がありましたがとんでもないことです。引き続き、追及していきます。

2024年6月3日月曜日

気候危機とポスト資本主義

 

畠山 和也 元衆議院議員

「国民の願いを胸に」


昨年の世界の平均温度は産業革命前の基準値から145度の上昇と、世界気象機関(WMO)が発表しました。15度未満に抑えるという国際目標を達成できるか、瀬戸際です。

特に若い世代の危機感は強い。札幌市内の大学のゼミ生が各党へインタビューを企画し、日本共産党では

私が応対しました。10問ある質問のトップは、党綱領にある「エネルギー自給率の引き上げ」具体策について。質問を考えた学生に聞くと「気候問題を通じて、ポスト資本主義に関心を持ったから」と言います。

ある民青学生班の学習企画もテーマは気候危機。北海道と同じくらいの国土で森林が半分を占めるオーストリアの水力発電や木質バイオマス、省エネ技術などを紹介すると、関心も高まります。半導体工場ラピダスや湿地保全のラムサール条約など、北海道にかかわる質問も相次ぎました。G7諸国でさえ段階的廃止に踏み込んだ石炭火力発電所に、日本は依然として固執しています。

排出量で世界第5位(世界銀行2023年)の日本が、これほど気候危機に背を向けているなんて情けない。早く自民党政治をかえなければ、との思いでいっぱいです。

ちなみに先のゼミ生による最後の質問は、「科学的社会主義を資本主義経済に有効的に導入するには」。

若い世代は、新しい社会と世界をつくるために前を向いています。ダイナミックに日本も世界も変えていきましょう。楽しい交流の時間ともなりました。