2020年3月27日金曜日

わしらの胸にドンとくる


畠山 和也 前衆議院議員
「国民の願いを胸に」

 新型コロナウイルスの影響で、各地の文化・芸能団体が窮地に追い込まれています。創設55年の民族歌舞団こぶし座(函館市)。会館に足を運び、公演中止が相次ぎ、財務がひっ迫している現状をうかがいました(赤旗18日付で既報)。
 創立40周年の時に発行した書籍をいただき、旗揚げの記録を読むと、最初の仕事は函館信用金庫従業員組合の春闘集会だったとのこと。別の日には失業対策事業中の労働者を励まそうと休憩所を訪ね、「ソーラン節」を踊ったものの、カンパの訴えをしようとも言葉に出せない。見かねた女性が「あんた方、カンパを集めるんでしょ。花笠回しなさい」と言って財布を出したという場面が心にしみます。
 日当が254円だったことから、「ニコヨン」と呼ばれ、戦争で家族を亡くしたり、働けない夫を支える女性たちが失対事業で多く働いていました。ある日、そのうちの一人がカンパし、こう言ったそうです。「あんたら下手だけど、わしらの胸にはドンとくる」
 安倍首相の記者会見が胸に迫ってこないのは、政策も言葉もくらしや働くことに根ざしていないからとハッとしました。「美しい日本」を口にしながら、文化関連予算や学校公演を削り続けてきました。新型コロナ対策も不十分です。
 つながりあい、人間らしく生きるため、いまこそ文化・芸術を守れ!