2024年5月8日水曜日

地域を壊しているのは誰だ

 

畠山 和也 元衆議院議員

「かけある記」


この原稿を書いている時点で公式発表はまだですが、2030年度末の新幹線札幌延伸はできなくなりました。昨年秋の政府要請で、私から工事は遅れているし「このままでは矛盾が深まる」と強調したのに、国交省側からは何の回答もなし。今になっての発表で、混乱が広がっています。

 開業目標は2035年度末だったのに、自民党と経済界の要望で前倒しされたのは周知の事実。工事を急ぐなかで現場での死亡事故は6件も起き、有害掘削土は市民の不安の声に背を向けて強行搬入されました。じゅうぶんな技術的裏づけもなく、市民合意を無視して工期短縮を決めた政治的責任は重大です。

 札幌延伸でJR北海道は黒字になるのか、北海道や自治体の負担はどれだけ膨らむのかなど、明らかにせず工事続行でいいのか。新幹線に並行する函館本線(山線)のバス転換も、検討し直す必要はないのでしょうか。

 道内117自治体が、将来的に消滅の可能性があるとの報告書が発表されました。一部大企業や富裕層の利益を優先して、社会保障や農林漁業、公共交通という地域の土台を壊してきた自民党政治の結果ではないのか。新幹線問題と根はいっしょです。

 田中角栄氏とも交流したという、ある町の自民党青年部長を務めたという方と会いました。「金のことばかりで、もう自民党はダメだ。地方のことを考えていない」と立腹されていて、日本共産党を友人にも広げると言います。私も元気に訴えてまわりたい。

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