2014年9月18日木曜日

国民の願いを胸に



 「霞が関の”仲間”」
    参院議員 大門実紀史


  東日本大震災の発生以来、被災事業者の支援に一緒に
取り組んできた金融庁のM課長が先日、他の部局に異動し
ました。Mさんは金融機関に被災者の債務軽減を要請。
陸前高田市の被災者の私的整理では、理不尽な対応をす
る金融機関を厳しく指導し、債務免除を促してくれました。
  Mさん以外にも、被災事業者の支援に奮闘した霞が関の
官僚が何人かいました。
 中小企業庁のFさんは、私と一緒に何泊もしながら沿岸部の商工会議所をまわり、
要望を聞き取りました。 夜は2人で支援策について意見交換。
それが、「グループ補助金」の拡充につながりました。
 復興庁のYさんとは原発事故のため事業再開が遅れている福島県の事業者支援につい
て何度も議論。
「立地補助金」という形で具体化してくれました。 批判しているだけでは復興は
進まない。
特に事業者支援は新たな枠組みが求められ、具体的な提案で一歩でも前進させる必要
がありました。
  普通なら共産党とは距離を置きたがる官僚たちですが、知恵も意欲もない与党議員の
姿にあきれ、私たちの提案に耳を傾けてくれたのだと思います。
  Fさん、Yさんはすでに1年前に他の部署に異動。今回のMさんの異動で、震災
直後から一緒に仕事をしてきた霞が関の「仲間」はいなくなりました。
  復興はまだまだこれからで、国の施策も不十分です。
   ただ、公務員バッシングばかり続く中、被災者のために一生懸命頑張ってくれた
彼らがいたことは忘れないでおこうと思っています。
                                                      (しんぶん赤旗 2014.9.17 掲載)