2023年11月15日水曜日

介護に笑顔を、社会保障に予算を

 

畠山 和也 元衆議院議員

「かけある記」


十一月十一日は「いい日、いい日」に掛けて、厚労省が「介護の日」と定めています。毎年この日に「介護に笑顔を!北海道連絡会」が集会をおこない、介護職場の充実などを訴えてきました。ほぼ毎年、私も参加しています。

 訪問介護で働く私のいとこからは、限られた時間で慌ただしく、余裕がない実態を聞きます。「利用者と話をするのが大好き」と話していた施設で働く友人は、体を壊して五十代で退職してしまいました。誰もが「介護に笑顔を」と望んでいるのに、現場は低賃金や人員不足でギリギリの状態なのです。

 集会では「利用料があがると、必要な介護サービスが受けられない。認知症などが進むのではと心配になる」「食材の値上がり分を抑えるのも限界。きちんと栄養を取れるようにしないといけないのに」と、自分たちの働く条件だけでなく、利用者へ心を寄せたスピーチが続きました。こういう声こそ、岸田首相は受け止めるべきではないのか。

 介護職員へ月額で約六千円の賃上げが、補正予算に盛り込まれました。しかし、ケアマネジャーなどは対象外ですし、そもそも全産業平均から見れば一桁小さい。「国家資格に見合った処遇改善を」との訴えは当然です。

 医療・介護や福祉・保育などケア労働は、コロナ禍でたいへんな苦労を強いられました。しかし、命や健康、尊厳を支えるという、他に代えがたいやりがいがあります。笑顔で働ける職場になるよう、くりかえし私も国へ訴えていきたい。

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