2025年11月26日水曜日

子どもにも親にも安心を

 

畠山 和也 元衆議院議員

「国会かけある記」


 

日本共産党は五月に、提言「子どもの権利を尊重し、子どもも親も安心できる支援を 過度の競争と管理をやめ、子どもを人間として大切にする学校を」を発表しました。北海道の小中学校でも、この十年間で不登校が約3倍に増えており、子を持つ親である私にとっても他人事ではありません。

 道委員会として、提言をまとめた藤森毅・党中央文教委員会責任者を招いた「不登校を考えるつどい」を開きます。「親の会」からの発言もいただきます。十二月六日()午後一時三十分?、会場は道高教組センター(札幌市)です。オンライン視聴もできますので、最寄りの党地区委員会などにお問い合わせください。

 学校へ行けない自分を責めてしまうーー心に何らかの傷を負ったため行けないところへ、登校強制・登校刺激でさらに苦しんだという、実際の話を聞きました。保護者も「甘やかせて育てたからではないか」などと言われ、誰にも話せなくなったといいます。だから「子どもも親も安心できる支援」が必要なのです。

 学校カリキュラムにこだわらない支援をしている、知人の施設を訪ねました。彼が心配なのは「家計への支援がなかったら生活できない」と、子どものために親(多くは女性)が休職・離職せざるを得ない現状です。施設などへ通えない家庭も、多くあるはずです。

 安倍政権のころから明らかに、学校への競争と管理が強まりました。子どもが安心して成長できる社会へ、私も力を尽くしていきたい。


2025年11月19日水曜日

クマ対策--農山村の振興と一体で

  



岩渕 友 参議院議員

「国会かけある記」


連日、熊の人身被害が発生しています。実態をききとるなかで、「クマ対策を担当する職員が休職を余儀なくされた」「大学は午後4時以降の対面授業をやめた」など、生活圏に熊が出没し、その被害があらゆるところに現れています。

政府は関係閣僚会議を立ち上げ、被害対策のパッケージを取りまとめました。対策の公表に先立ち、現場の声を反映するために、北海道と東北6県の党議員などとオンラインび、政府への要請を行いました。真下紀子道議も発言しました。

職員が身を守るために使う盾など備品が不足している、箱わなが足りない、ハンターの報酬が少なすぎ、身分が保障されていない、専門家が足りていない、生息調査が必要など、現場の実態が次々出されました。

通学時にタクシーを利用することにした、柿の木を切るための補助を行っているなど、各地の対策も出されました。「災害なみの対応をしてほしい」という切実な訴えが行われました。

クマ、シカ、イノシシ対策の交付金は約27億円です。圧倒的に予算が足りていません。補正予算と来年度予算に盛り込むとのことですが、抜本的な増額が必要です。

餌となるドングリの凶作などとともに、おおもとには、耕作放棄地が増え、農山村から人が減り、山の手入れず、里山が荒廃するなど、これまでの森林や農業政策の問題が指摘されています。その転換も含め、引き続き対策を求めていきたいと思います。


2025年11月5日水曜日

アイヌ当事者からの希望の言葉

 

畠山 和也 元衆議院議員

「国会かけある記」


 

アイヌ施策推進法の見直しへ声をあげよう――アイヌ政策検討市民会議が主催の「みんなでチェック!日本の先住民族政策」集会に参加しました。アイヌ当事者が主体となった見直しへと、私も力を尽くします。

 これまで受けた差別や不正義に対し、宇梶静江代表はじめアイヌ力(ちから)のみなさん、少数民族懇談会やラポロアイヌネイションなど当事者団体からの提起や意見が重く響きます。推進法が成立したのは六年前。先住民族と明記しながら先住権は盛り込まず、成立直後から見直しへの機運が高まっていました。

 アイヌ民族が独自の文化や言葉を奪われ、強制移住させられた事実などは消せません。掘り起こされた遺骨が依然として千体を超え、元の地に戻されてもいません。世界では、先住民への同化政策などに対する謝罪が広がっています。日本の遅れは明らかです。

 そのうえ、今なお差別や侮辱を投げかける言動があります。とても容認できません。しかし、アイヌの方々はじめ差別を許さない市民の声も高まっています。「十年前から見れば、当事者が語れる場が増えてきた。希望はあると思っています」と、当事者からの言葉に励まされました。

 「生活と切り離した文化はない。生活様式として生業の保障を」「不当な差別行為に対する人権救済機関の設置を」など具体的な提言を、しっかり国政に反映していきたい。何より私自身が国政の舞台で、この声を届けなければとの思いを強めました。