2024年5月15日水曜日

気候危機対策は待ったなし

 



岩渕 友 参議院議員

「国会かけある記」


大型連休中、福島は暑い日が続きました。そうかと思えば急に寒くなったり…。気候危機対策は待ったなしだと様々な場面で実感します。

 脱炭素を実現するとして水素やアンモニアなどを使って発電する「水素社会推進法案」と、苫小牧で実証試験が行われた二酸化炭素を地下に埋める「二酸化炭素貯留(CCS)事業法案」の審議を行っています。

 水素は発電時に二酸化炭素が出ずクリーンだといいますが、製造方法によって変わります。再生可能エネルギー由来の水素は「グリーン水素」と言われますが、化石燃料を使って製造する水素なども「非化石エネルギー」と位置づけていることは問題です。

 日本がやろうとしているのは、石炭に水素を混ぜて燃やす発電で、20%混焼の実証事業段階です。商用化は2030年です。さらに、海外で化石燃料から製造し、その過程で発生した二酸化炭素を回収する「ブルー水素」の輸入も進めています。

 G7のエネルギーに関する会合で、再エネを進める世界の流れに逆行するとして「孤立する日本」と批判の声があがりました。政府は業界団体の要望にこたえるみせかけの脱炭素から抜け出せずにいます。

 今年はエネルギー基本計画の改定が行われます。2030年のみならず、2050年を見据えた内容にしなければなりません。多様な意見が反映され、国民的な議論が行われるよう求めていきたい。


2024年5月11日土曜日

アイヌの歴史に思いはせる

 


 紙 智子 参議院議員

「国民の願いを胸に」


 

五月晴れのメーデーに憲法記念日の行進。皆さんと一緒に行進し、声を上げ、たたかう気概を充満しました。連休明けから、農業基本法の質疑が始まります。

このほど雑誌『前衛』(6月号)の企画で、北海道大学アイヌ・先住民研究センター教授の北原モコットウナシさんと対談をする機会がありました。テーマは「差別の歴史ー権利回復と人権尊重への前進を」です。北原教授に北海道大学構内のアイヌの関連施設を案内してもらいました。構内にアイヌコタン(集落)もあったということです。納骨堂は医学部敷地内に建てられ約1000体のアイヌの遺骨が置かれていましたが、多くは白老の「慰霊施設」に移されました。

対談では、北原先生ご自身の生い立ちを初めてお聞きしました。子どもの頃寝る前に母親が「ユカラ」の和訳を読み聞かせてくれたと言われました。今で言うアクションもの、威勢のいい物語で面白くてそらで覚えてしまった。目にゴミが入るとお母さんの膝に寝かされて目元に指で水をつけながら「ポンピサックモムモム」とおまじない。いつの間にか痛みがえた。ポンはアイヌ語で小さいという意味、ピサックはひしゃく、モムモムは流れろ流れろと、これを繰り返しているうちにゴミが流れてしまったと言われました。何と楽しいすてきな思い出でしょう。

アイヌへの差別がどのように形づくられたのかを解明する話を聞きながら、今年、アイヌ施策推進法の見直しに思いをはせました。

 


2024年5月8日水曜日

地域を壊しているのは誰だ

 

畠山 和也 元衆議院議員

「かけある記」


この原稿を書いている時点で公式発表はまだですが、2030年度末の新幹線札幌延伸はできなくなりました。昨年秋の政府要請で、私から工事は遅れているし「このままでは矛盾が深まる」と強調したのに、国交省側からは何の回答もなし。今になっての発表で、混乱が広がっています。

 開業目標は2035年度末だったのに、自民党と経済界の要望で前倒しされたのは周知の事実。工事を急ぐなかで現場での死亡事故は6件も起き、有害掘削土は市民の不安の声に背を向けて強行搬入されました。じゅうぶんな技術的裏づけもなく、市民合意を無視して工期短縮を決めた政治的責任は重大です。

 札幌延伸でJR北海道は黒字になるのか、北海道や自治体の負担はどれだけ膨らむのかなど、明らかにせず工事続行でいいのか。新幹線に並行する函館本線(山線)のバス転換も、検討し直す必要はないのでしょうか。

 道内117自治体が、将来的に消滅の可能性があるとの報告書が発表されました。一部大企業や富裕層の利益を優先して、社会保障や農林漁業、公共交通という地域の土台を壊してきた自民党政治の結果ではないのか。新幹線問題と根はいっしょです。

 田中角栄氏とも交流したという、ある町の自民党青年部長を務めたという方と会いました。「金のことばかりで、もう自民党はダメだ。地方のことを考えていない」と立腹されていて、日本共産党を友人にも広げると言います。私も元気に訴えてまわりたい。