2018年4月4日水曜日

種を守ろう、種をまこう


畠山和也 前衆院議員
「かけある記」

 4月1日に、重要な法律が廃止されました。主要農作物
種子法です。
 この法律のもと、コメ・麦・大豆の種子の生産と普及が
都道府県に義務付けられ、国は予算に責任を負ってきま
した。各地に見合った品種が開発され、農家に種子を安く
普及し、北海道もおいしいコメを作れるようになりました。
 それが昨年、いきなり廃止法案が出されました。理由は
「都道府県が優遇されて、民間の開発意欲が阻害されて
いる」というものですが、過去には農水省みずから
「阻害されていない」と述べていました。私が国会で突きつけても「戦略性は一貫
している」と強弁し、専門家や採種農家から意見を聞いてさえいないことも判明
しました。
 今後、民間企業が求めれば、公的機関は知見を提供することになります。海外へ
流出する可能性もあります。種子の開発には長い時間がかかり、民間では費用回収
のため種子の価格を上げることになるかもしれません。新潟県や兵庫県などは種を
守るため独自の条例をつくりましたが、北海道・高橋はるみ知事はその気がない
ようです。北海道の食と農を、どう考えているのでしょうか。
 「国が食料の責任を投げ捨てるなんておかしい」と、ある農協組合長さんが強調
していました。そのうえTPPや日欧EPAで大量の農産物が輸入されるのです
から、まさに亡国の農政。多くの方と対話を広げることが、安倍政治を変えるための
「種をまく」仕事だと痛感する毎日です。