2019年9月11日水曜日

今こそ自由と民主主義の旗を


畠山和也 前衆議院議員
「かけある記」

日本と韓国の関係が悪化しています。「徴用工」問題で、個人の請求権は日本政府も認めているのに、対抗するため貿易の規制に踏み込んだ日本側に原因があります。安倍首相が過去の植民地支配についての反省を見せていないことも重大です。
 他国を蔑(さげす)む社会の空気の広がりに加え、札幌市では安倍首相の街頭演説にヤジを飛ばした市民が道警に囲まれ、排除される事態も起きました。違いや異論を認めず封じ込める現状を、民主主義国家と呼べるでしょうか。
 戦後、日本共産党員を「破壊主義者」として社会的に排除していったのがレッド・パージでした。北海道でも炭鉱や製紙、公務などの職場や地域で孤立させられ追い出され、家族にまで長年の苦しみを与え続けた「戦後最大の人権侵害」です。
 先日、被害者の名誉回復と補償を求める道懇話会の総会に参加しました。被害者が声をあげたことでレッド・パージは再び歴史の舞台に登場し、日本弁護士会は二度に渡って救済申し立てを勧告するに至りました。運動の成果に胸を張ろうと、総会では呼びかけられました。
 被害者の名誉回復は、思想・良心の自由、言論・表現の自由を取り戻すたたかいです。これは今ある自由を守り、次の世代に自由を引き継ぐことと一体です。まして日本共産党そのものへの攻撃だけに、今を生きる私たちの自分事です。自由と民主主義の旗を掲げてきた先輩たちの不屈さを、しっかり継いでいきたい。