2023年5月31日水曜日

東電は誠意をもって賠償を

 

紙 智子 参議院議員

「国会かけある記」


5月24日の東日本大震災復興特別委員会で、東京電力・福島第一原発事故の賠償問題を取り上げました。

 昨年暮れのこと。お歳暮を探していたら、福島県伊達地方に伝わる「あんぽ柿」を見つけました。放射能汚染から立ち直り「やっと売り出せるようになったのか」と思い購入しました。ところが、そうではなかったのです。

 今年4月、福島県農民連の、東京電力と政府への農産物被害の賠償を求める要請行動に参加しました。2011年の原発事故後、ずっと続けている交渉です。

 いまも「あんぽ柿」を販売できない生産者が訴えました。「私のあんぽ柿は、大きくて放射性セシウムの検査機を通せない。大玉の自慢のあんぽ柿を出せないし、楽しみにしている消費者に届けられない」。

 ヤマゴボウの葉(ごんぼっぱ)を材料にした、地域伝統の「凍みもち」も作れません。材料になるごんぼっぱが、原発事故で汚染されているからです。減収は大きく、生産者は東電に賠償を求めました。

 しかし、東電は賠償すると言いません。「17年から賠償方式を変えました」「材料がないなら他から探してください」。

 冷たい回答に、怒りの声が飛び交いました。商品にするまでの生産者の苦労や、素材と品質へのこだわりをまったく理解しようとしません。

 委員会で訴えました。

 “いまだに苦しんでいる生産者がいるのです。勝手に賠償方式を変えるのではなく、誠意をもって補償すべきです”と。


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